さて、iOS 10が配信開始されて新たに登場した「ホーム」アプリのおかげで、日本ではあんまり注目されてなかったHomeKitが熱くなってるみたいです。(個人的感想)
HomeKitではPhilips Hueを操作できたりするのですが、そもそも対応していない家電を対応させるためのDIY的手法も色々存在しています。
例えば、HomebridgeとIRKitを組み合わせた方法。
Raspberry PiにHomebridgeを入れて、homebridge-irkitでIRKitを叩くみたいなお手軽スマートハウスのやり方は検索すれば山ほど出てきます。
そしてここで使われるIRKit、赤外線リモコンの信号を送受信できるオープンソースハードウェアなのですが、大人気なんですね。
在庫切れ入荷予定無しで手に入らないんだけど(キレ)という声も周囲にチラホラあったり。
というわけで、欲しいけど無いなら作りましょう。
自分で作ると安いし、面白いですし...
回路はこんな感じ。
必要な部品は以下の通り。
ESP-WROOM-02でミニマルなIRKitクローンを作る
もしESP-WROOM-02とかブレッドボードとか抵抗とか...持ってるなら、赤外線LEDと赤外線リモコン受信モジュールだけ買っちゃってください。
私はオリジナルのESP-WROOM-02搭載ボードとプロトタイプ・シールド基板を作っているので、これを使ってサクッと作りました。
中身のソフトウェアはIRremoteESP8266とaJSONを使って100行程度で実現しています。
コードはこちら。
9SQ/minIRum: A minimal implementation of infrared sender/receiver like IRKit by ESP8266
Arduino core for ESP8266をArduinoに入れて、コードをビルドしてESP-WROOM-02に書き込んであげてください。
あとは、IRKitみたいに GET /messages で最後に受信したリモコンのコードが取得できるので、これをメモしておいて...
POST /messages にこれを投げてあげれば、リモコンと同じように発光してくれます。
もし、エアコンなどの長めのコードを飛ばすリモコンの場合は、IRremoteESP8266/IRremoteESP8266.hの#define RAWBUF 100を200とかにしてあげれば取れるかも。
あとはHomebridgeと組み合わせれば、このようなことが出来ます。
とりあえずシーリングライトをON/OFFできるようにしてみた。Homebridge+ESP8266 pic.twitter.com/xnYNSa5BFn— けーいち (@9SQ) 2016年9月14日
Raspberry PiにHomebridge諸々を入れるのは、検索すればいっぱい記事が出てくると思います。
ただ、Raspbianはapt-getで取れるnodeが古かったりするので、楽をしたいならArch Linux(RasPi2/RasPi3)をお勧めします...
pacman -S git python2 nodejs npm nss-mdns avahi systemctl enable avahi-daemon systemctl start avahi-daemon npm install -g homebridge npm install -g homebridge-irkit mkdir .homebridge cd .homebridge nano config.jsonconfig.jsonは以下のような感じで。
irkit_hostは適宜変更してください。
{ "bridge": { "name": "Homebridge", "username": "B8:27:EB:4D:31:D7", "port": 51826, "pin": "031-45-154" }, "accessories": [ { "accessory": "IRKit", "name": "ライト", "irkit_host": "minirum-a492cd.local", "on_form": {"format":"raw","freq":38,"data":[3550,1700,500,400,500,400,450,1300,500,1300,500,400,450,1300,500,400,500,400,450,450,450,1300,500,400,500,400,450,1300,450,450,450,1300,500,400,450,1300,500,450,500,400,500,1300,500,400,500,400,450,450,450,450,450,1300,500,400,500,1300,500,1300,450,450,500,1300,500,400,500,400,500,400,450,450,500,1300,500,400,500,450,450,1300,500,400,500,400,450]}, "off_form": {"format":"raw","freq":38,"data":[3550,1700,500,400,500,400,450,1300,500,1300,450,450,500,1300,500,400,500,400,500,400,500,1300,500,400,500,400,500,1300,500,400,450,1300,500,400,500,1300,450,450,500,400,450,1300,500,400,500,400,450,450,450,450,500,1300,450,1300,450,1300,450,1300,450,450,500,1300,450,450,450,450,450,450,450,1300,500,1300,500,400,500,400,450,1300,500,400,500,400,500]} } ] }ちなみに、この赤外線コードはPanasonic製のシーリングライトのON/OFFです。
homebridgeを立ち上げて、iPhoneとペアリングします。
homebridge [Tue Sep 20 2016 03:31:29 GMT+0900 (JST)] Loaded plugin: homebridge-irkit [Tue Sep 20 2016 03:31:29 GMT+0900 (JST)] Registering accessory 'homebridge-irkit.IRKit' [Tue Sep 20 2016 03:31:29 GMT+0900 (JST)] --- [Tue Sep 20 2016 03:31:29 GMT+0900 (JST)] Loaded config.json with 1 accessories and 0 platforms. [Tue Sep 20 2016 03:31:29 GMT+0900 (JST)] --- [Tue Sep 20 2016 03:31:29 GMT+0900 (JST)] Loading 1 accessories... [Tue Sep 20 2016 03:31:29 GMT+0900 (JST)] [ライト] Initializing IRKit accessory... Scan this code with your HomeKit App on your iOS device to pair with Homebridge: ┌────────────┐ │ 031-45-154 │ └────────────┘ [Tue Sep 20 2016 03:31:29 GMT+0900 (JST)] Homebridge is running on port 51826.
iOS 10のデバイスで「ホーム」アプリを起動して「アクセサリを追加」、Homebridgeが表示されるのでコードを入力してペアリングを完了させます。
Homebridgeを追加したら、configに書いたアクセサリ(上記例では「ライト」)が表示されると思うので、これを追加すれば制御できるようになります。
Raspberry PiでのHomebridgeの自動起動は以下を読むと早いです。
Arch Linuxなら、Running Homebridge on Bootup (systemd)のセクションです。
https://github.com/nfarina/homebridge/wiki/Running-HomeBridge-on-a-Raspberry-Pi
homebridge-irkitではON/OFFの単純操作しかできないので、そのうち色々なコードを叩けるhomebridgeのプラグインでも書こうかな...
ちなみに、Raspberry Piにhomebridge-cmdを入れて、GPIOにSSRを繋いであげれば、リモコンの無いAC100Vの機器もON/OFFできます。