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2016年3月1日

オーブントースターでおうちリフローする

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格安でプリント基板を製造してくれる中国・深セン発のサービス、超便利ですよね。
最近はElecrowを良く使うのですが、レジスト色が緑以外も無料で選べて、シルク印刷はめっちゃ綺麗で、しかも割と早く作ってくれるので最高です。

ところで、プリント基板といえばやはりSMD(表面実装部品)を使いたくなる、というかSMDを使いたいがためにプリント基板を作るという感じですが、ここで問題となるのが「どうやって付けるか」な訳です。
1, 2枚程度なら1個ずつ手ハンダで付けていっても「時間かかるなぁ」くらいのもんですが、大体のプリント基板製造サービスは10枚単位とかなので全部手ハンダで付けようとなると結構大変。
という訳で、市販のオーブントースターで一気にSMDをハンダ付けしちゃおうという話です。

既に色々なブログでやり方は取り上げられていると思うので、ここでは実際にやった準備や工夫、できあがった物、ネットに転がってない情報などをまとめておきます。

やったことの大雑把な手順は
1. スイッチサイエンスのリフローキットを組み立てる
2. オーブントースターにリフローキットを取り付ける
3. スイッチサイエンス謹製のULPでEagleからDXFを生成
4. Silhouette Studio 3でDXFを読み込む
5. silhouette CAMEO 2でポリプロピレン合成紙をカット
6. 基板にステンシルを乗せるための固定具を作る
7. 基板にペーストはんだを塗布
8. 部品を載せる(チップマウント)
9. 焼く(リフロー)
10. 完成
という感じなので、今回はこの手順をそのまま章とします。


1. スイッチサイエンスのリフローキットを組み立てる


オーブントースターでリフローするにも、パンを焼くように適当な時間入れておく訳にはいかないので庫内の温度を適度に調節するコントローラーが必要。
この辺も自作するのは然程難しくないのですが、既に誰かが作ってて売ってるなら買った方が早いということで今回はスイッチサイエンスさんが売っているものを買って組み立てます。

リフロートースターコントローラーキット - スイッチサイエンス

これにはSSRが付いてないので、別途秋月でSSRを2個(上,下ヒーター用)買います。

大容量ソリッドステートリレー(SSR)24V~380VAC 40A (SSR-40DA) - 秋月電子通商

組立手順はスイッチサイエンスさんのTracに載っているので、このまんまです。

「Dual_SSR_Solder_Toaster_Controller_Platform」の作り方

ここで完成したコントローラーにSSRをつけて問題となるのが、SSR-40DAが3.3Vでは動作不安定ということ。
安定化させるために、2SC1815を使って3.3Vから5Vにレベル変換するものを作りました。


箱は秋月で売ってるLCD用穴開きプラケースが丁度いい感じだったので、コネクタや電源の穴、ボタン用の穴などをフライスで開けて収めてみました。

プラスチックケース SW-125S(LCD) - 秋月電子通商

2個のSSRに繋がっている小さい箱がレベル変換機。(ケースはタカチのSW-50S)

2. オーブントースターにリフローキットを取り付ける



これもスイッチサイエンスさんのブログに載っている通りに取り付けました。

オーブントースターをリフローオーブン化してみた | スイッチサイエンス マガジン

使用したオーブントースターは、パナソニック製のNT-T500というもの。
スイッチサイエンスさんで使っているNT-W50の後継機種なので、改造位置は全く同じ。

パナソニック オーブントースター ダークメタリック NT-T500-K - Amazon.co.jp

配線は古いオーブントースター(以前破棄したもの)から取り出した耐熱ケーブルを使用。
田舎のその辺に売ってるようなものではないので、普通に買うならちょっと面倒そう。

3. スイッチサイエンス謹製のULPでEagleからDXFを生成


これもスイッチサイエンスさんのTracにある情報&スクリプト(ULP)を使います。

EAGLEで作った基板のハンダマスクをCraft ROBOで作る

スクリプトをulpフォルダに投げ込んでEagle上で実行すれば、プロジェクトのあるフォルダにdxfファイルが吐き出されます。

今回はESP-WROOM-02の載った基板を作るので、以下のEagle部品ライブラリを使わせてもらったのですが...

ESP-WROOM-02のEagle用ライブラリ

これのパッドの属性がCreamになってないので、普通にDXFを吐き出したらカットしたい部分が出力されない...というわけでライブラリを書き換えて使いました。


部品のPackage上で右クリックしてOpen in Library


ペーストはんだで付けたい足を選択して、CreamのチェックボックスをONにすればOK.
あとはプロジェトを開いてLibraryからUpdateをすれば既存のプロジェクトでも反映されます。

4. Silhouette Studio 3でDXFを読み込む


今回は、シルエットカメオ2というカッティングマシーンでステンシルを作ります。

グラフテック 小型カッティングマシン silhouette CAMEO 2 - Amazon.co.jp

これにSilhouette Studio 3というソフトが付属しているので、これでDXFを読み込んでカットする訳ですが、ちょっと調整が必要。

まず、環境設定を開き、DXFの読み込み設定で「中央」を選択。
これで実寸サイズでDXFを読み込んでくれるので、テスト出力してサイズ調整などは全く必要なくなります。


次に、ポリプロピレン合成紙用のプロファイルを作って設定します。
右上のバーからカット設定(右から2番目)を選び、以下の赤枠のようにしました。


これでスイッチサイエンスさんで扱っているポリプロピレン合成紙をうまくカット可能。

ポリプロピレン合成紙A4版150μm厚5枚セット(クリームハンダステンシル用) - スイッチサイエンス

5. silhouette CAMEO 2でポリプロピレン合成紙をカット


ポリプロピレン合成紙をカッティング台紙の粘着面に貼ってカットするのですが、この台紙の粘着面は新品だと粘着力が強すぎて、剥がせない...ので何度か布などを貼り付けて十二分に粘着力を落としてから貼り付けます。
ポリプロピレン合成紙は意外とピッタリ貼りつくので、剥がす時に曲げてしまうと特性上カールしたりストライプ状の跡が残ってしまう...
そこで、手で触った感じで「これくらいの粘着力なら剥がれるだろう」と思ったところから更に粘着力を落とし、試しに角の方を貼って簡単に剥げることを確認してから貼るとOK.


貼って、台紙をセットしたら、Silhouette Studio 3からカット開始。


カットできたら、いらない部分にセロハンテープなどを貼って除去する。

6. 基板にステンシルを乗せるための固定具を作る


ステンシルを基板の上に置いてペーストはんだを塗るわけですが、ただ置いただけだとポリプロピレン合成紙がたわんだりして基板との隙間にペーストはんだが入り込んでしまう。
そこで、木の板とビニールマットで固定具を作り、それにステンシルの位置を合わせて一辺をテープで固定しました。
この辺りはもっと簡単にできる方法はあるはず... (基板の厚みと同じ板を基板の形にくり抜くだけでも随分違うはず)


7. 基板にペーストはんだを塗布


使ったペーストはんだはaitendoで扱っているもの。(今は在庫切れ)

ソルダペーストはんだ[XG-50] - aitendo

これ、かなり粘り気があるので塗るのが難しい。
ホームセンターで買ったプラスチックのヘラで均一に伸ばそうとしても、塗れてないところが出てくる→もう一度塗る→厚くなる→狭ピッチ部分がブリッジする...となる訳です。


この辺は何度かやりながらコツを掴むしかなさそう。

8. 部品を載せる(チップマウント)


ここがおそらく最難関。
部品を順番に載せていると徐々にハンダの粘りがなくなってくる(乾燥する?)ので、ピッチの細かい部品、今回だとヒロセのMicro USBコネクタ、SSOPのFT231XSから先に配置。


ちょっとパッドの部分からハンダが出ていても、温めると部品の足に付くので大丈夫。
ただ、あまりに多いと狭ピッチ部分でブリッジする原因なので、この辺りは何度かやってみて量のコツを掴む必要あり。

9. 焼く(リフロー)


焼くときは匂いがすごいので、家の外でやりました。
家の中でやるなら換気の仕組みをキッチリ作るべきでしょう。


上の写真では4枚を一気に焼いてますが、これ以前に何枚か焼いて調節などをしています。
あんまり熱すぎると基板の材料まで焼けちゃうこともあるので、この辺も試しながらベストな焼き加減になる温度、時間を探る必要あり。

10. 完成


焼きあがったら、部品がズレたり、ブリッジしてるところがないかチェック。
今回は4枚のうち2枚でSSOPの足がブリッジ、Micro USBの足がブリッジしてたので、無洗浄フラックスを塗ってコテを当てて修正しました。


焼きあがった基板のうち1枚をアップしたものが以下の写真。


キレイに付きました。

プッシュスイッチの頭と白シルク印刷が若干きつね色になってしまったので、次回はアルミ箔などでヒーターの光が直接当たらないようにしてみようかと考え中。

感想


リフローできるようになったおかげで、1枚作るのに手ハンダで45分くらい掛かってたのが、15〜30分くらいで部品を載せる&5分焼くような感じになりました。

確かに時間短縮されたんだけど、ハッキリ言って...

チップマウンタが欲しい!!!

以上です。

2012年1月9日

STIKA STX-7を10年ぶりに動かしてみた

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1997年に発売されたRoland DG製の小型カッティングマシーン「STIKA STX-7」が親父の会社で放置されていたので使えるようにしてみました。

1997年発売ということで「一応の」対応OSは98/NT/2000辺りらしい。
Roland DGのウェブサイトを見るとXP対応のドライバはあるので、こちらをダウンロードしてParallels Desktop 7上のWindows XPにインストール。

STIKA STX-7自体はパラレル(セントロニクス)接続でUSBポートは無し。
接続には実績のあったELECOM製UC-PGTを使ってMacBook Airと接続、Parallels上のXPにブリッジ。
ドライバインストール時はLPT1でインストールし、インストール完了後はプリンタのプロパティよりUSB001に変更。

CutStudioとCutStudio Plugin for Adobe Illustratorを使って、イラレでネット上から拾ったepsとかaiを開いてプラグイン経由でCutStudioに転送。
あとは普通のプリンタで印刷するようにしてあげるとカッティングがスタート、しばらくすると良い感じに切ってくれます。


Parallelsを使うと仮想環境のウィンドウにファイルをドラッグ&ドロップで送れるのでMacで作ったデータをXPに送ってカッティングなんてことが容易に可能。

余談

Roland DGのサイトにはWindows 7ではドライバ使えない的なことが書いてありましたが、bootcampで別パーティションにインストールしたWindows 7 UltimateにXP対応のドライバをインストールしてみたら普通に動きました。(CutStudioも同様)
ただし32bit版Windows 7での話で、おそらくというか普通に64bit版では動かないと思います。
Windows 7 64bitではドライバにデジタル署名が必須なので、ちょっとテストモードで弄ってみて使えそうだったら64bit向けにドライバをゴリゴリ改変していく予定
追記:Windows 8 64bit向けのSV-8用ドライバでSTX-7も駆動できました!
追記2:Windows 8 64bit向けSV-8用ドライバでWindows 10でも動きました!

ちなみにMacOS Xではいくら頑張っても無理でした。これよりも新しいモデルだと使えそうですが、USBパラレル変換での接続がそもそも駄目だとか何とか書いてあったような気が。

家にカッティングマシーンが眠っているなんて人はそうそういないと思いますが、万が一古くてよくわからないマシーンが眠っているなら試してみる価値があるかも。